UL-10WZ 3S/UL-20WZ 3Sの生産背景
2025年に通常のテントとは一線を引いた超軽量前室付きシェルター「UL-10 3S/20 3S」を発売いたしました。UL系のテント泊山行を目指す方が条件の良い時のセカンドテントとしてご使用いただくことで、好評価を得ることができました。しかし、耐水圧約1,000mmのシングル生地ですので、一定の降雨量になると漏水も否めず、特にテント内にいる人とパネルが接触することでおきる呼び水効果で漏水が発生するのは仕方のないことでした。多少、重量が増えても良いのでもう少し耐水性に優れたシェルターを・・・というご要望もあり、素材を変更せずに仕様のみの変更で耐水性と耐結露性、収納性をアップさせて少し贅沢なシェルターを製品化したい・・・。この想いがUL-10WZ 3S/20WZ 3Sの生産背景です。
UL-10WZ 3S/UL-20WZ 3Sとの違い
1. 入口の反対側長辺の仕様を入口部と同様にダブルウォール仕様にしました。
この仕様変更により、テントパネルの65%がダブルウォールになり、テントパネルが耐水性の限界を超え漏水しても、撥水インナーパネルが防波堤となり、テント内へのダイレクトな漏水を防ぐことができます。(耐水性アップ)
さらに、この仕様にすることで、テント長辺がダブルウォールとなり、通気性に優れた撥水インナー生地があることで湿気を外に放出し耐結露性がアップしました。(耐結露性アップ)
2. 入口の反対側長辺に後室を設けることにより、収納性がアップしました。
後室は軽量化のため、入口機能はもたせていませんが、荷物収納スペースとして使用できます。また後室にアクセスするメッシュの小窓は優れたベンチレーション効果が得られます。
3. 上記の機能を追加することで1人用/2人用ともに約55gの重量アップになります。
少しでも軽量化を重視したいという方はUL-10 3S/20 3Sを、わずかな重量増で耐水性・耐結露性・収納性をアップしたい方にはU-10WZ 3S/20WZ 3Sをお奨めいたします。
※耐水性・耐結露性・収納性をアップさせたモデルですが、これはUL-10 3S/20 3Sとの比較でテントとの比較ではございません。快適さを重視される方は、VL・VEL・VBシリーズをお選びください。
■国産の強み
ULシリーズはポール・生地・ファスナーに至るまで修理対応が可能です(生地の劣化に関する修理は除きます)。テントやシェルターは、直接、自然の猛威にさらされるため、後々修理しなければならない可能性の高いギアです。国産の最大の強みは「購入後のアフターメンテナンスのしやすさ」にあると言えます。
■注意点
①ULシリーズは3シーズン仕様です。別売のフライシートや冬用の外張も接続できません。入口部には大きくはありませんが閉鎖不能のメッシュの強制ベンチレーションを設置してありますので、低温時にはテント内の保温が難しい構造となっています。
②ポールはDAC社の最軽量のNFL8.7mmを使用しています。このポールは強度よりも軽量化を重視しています。よって、本格的な強風化での使用には適していません。
③強い雨や連続する降雨などで、生地の許容範囲を超えると漏水の可能性があります。最初から大雨が予想される日の使用には適していません。
コラム
運悪く、このシェルターの限界を越える悪天に遭遇した時には、過去の経験・知識・体力を総動員してシェルターと力を合わせて危機を乗り越えなければなりません。その代わりに、多くの場合(特別な悪天候ではない場合)には、このシェルターを使用することで、「超軽量」・「快適空間」・「機動力」を手に入れることができます。登山を長年やっていると、自分にとって何が必要で、何が無くても良いのかがわかってきます。便利なものを全て担いでいけば確かに安心ですが、その分、重さでパフォーマンスが落ちてしまいます。実施する山行において、何が必要で何が不要かを見極める判断力こそが、装備の軽量化には重要なファクターになります。ULシリーズは、その判断をできる方のための製品です。